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データの「視覚化」で実現する、目的を達成できる資料づくりのポイント

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前回の記事の中では、ビジネスパーソンにとって、「数字を見る」習慣を定着させることがもたらすメリットと、Power BIを使ってその習慣をつける方法についてご説明しました。

今回は、Power BIが持っているさまざまな可視化の機能を、ビジネスシーンでどんな風に役立てていただきたいか、紹介したいと思います。

 

視覚化(ビジュアライゼーション)が注目される理由

「ビジュアライゼーション」というと横文字なのでとっつきにくく感じられますが、Power BIのもっとも核となる特徴が、ビジュアライゼーション、つまり「視覚化」の機能です。

Power BIは、「視覚化」パネルからボタンをクリックするだけで、グラフ等のチャートを作成でき、すばやくデータの可視化ができるサービスです。生のデータのままでなく、可視化してデータを見せることが、ビジネスの世界でも注目されています。その理由は、ビジュアルにすることで、意図を明確にし、それによって課題や解決方法も得られやすくなるからです。

一例をご紹介しましょう。以下の表は、あるおもちゃメーカーの売上データです。もしも、年間売上総額を見たいだけならば、このような表で十分かもしれません。

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製品カテゴリ別の売上推移

これから全国の営業担当者を集めて行う営業戦略会議のために、「売上の内訳がわかる資料を用意したい」としたら、営業エリア別のデータが必要になることが想定されます。Excelでも、エリアごとに売上情報をまとめた下記のような表データを作ることは可能です。

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エリアごとの売上データ

しかし、Power BIでは、単純な表から一歩進んだ視覚化表現をすることができます。

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これらのチャートは、左上から時計回りに、製品カテゴリ別の「売上遷移」、「売上数」、「売上金額比較(Treemap)」、「エリアごとの売上」を表しています。どのチャートを選択するかで与える印象がガラリと変わります。

 

視覚化の「正解」は伝えたい内容で決まる

いま紹介したチャートはどれも、データとしては「正しい数値」ですが、どの視覚化表現を選ぶのが「正しい資料づくり」になるでしょうか。これは、何を伝えたいかによって変わります。

例でとりあげた「全国の営業担当者を集めて行う営業戦略会議」であれば、エリア別のチャートでも良いですし、地図を使った視覚化も役立つでしょう。

Power BIでは、Microsoft Bingを使用した本格的なオンラインマップとデータを紐付けることができるので、データ上で地域情報と売上情報が紐付けられていれば、下のようなチャートは一瞬で作成できます。都道府県、市区町村名、郵便番号、経度緯度などの地域情報のデータをもとに、自動的に地図上にグラフがマッピングされます。

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Power BIで利用できる視覚化「マップ」を使った売上分析

ビジネスで視覚化表現を利用するときに大切なのは、すばやくきれいなチャートを作ることではありません。

もっと重要なのは、その視覚化された情報を見て、メンバーが共通の理解を持つことができるかです。マップチャートであれば、各地域での製品カテゴリの割合、および売上額がひとめで把握できます。販売製品カテゴリの割合が円グラフになっているので、「ヘリコプターの売上が西高東低になっている」、といった地域ごとの特徴も浮かび上がってきます。

ところが、表の資料を配っていたら、Aさんは売上総額の増加に注目するかもしれませんし、Bさんはヘリコプターの売上減少に注目するかもしれません。会議やプレゼンテーションの席では、参加者全員が課題を共有し、その課題の解決にフォーカスすることが大切です。そのときに目的に合わない資料が出てくると、メンバーの視点にズレが発生してしまいます。

強調したい事柄、フォーカスしたい課題に関する情報以外に注意が向いてしまう可能性のある視覚化表現を選ばない。これがデータビジュアライゼーションを仕事に活かすときに気をつけたい、重要なポイントです。

このように、資料作成をする際には、目的を達成するためにふさわしい見せ方を選ぶ必要があります。「あの情報をグラフ化しておいて」という上司のなにげない依頼にも、「視覚化で切り取りたいのは何なのか」を意識することで、目的をすばやく達成できる資料を作ることが可能になると思います。

いかがでしたか。あらゆるビジネスでデータをあつかう機会が増加している昨今、Power BIの視覚化の利用は、スムーズに業務を達成するためにも、ビジネスチャンスを掴むためにも、さらに重要になってくると考えています。

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北川剛(キタガワツヨシ)
日本マイクロソフト株式会社
日本マイクロソフトで Azure を含むサーバー製品を担当するプロダクトマネージャー。 大学時代にインターネットの洗礼を受け、研究室でデータベースを利用したウェブシステムを構築するというきっかけを得たことから、データベースの道に進むことに。現在はデータベースだけではなく、クラウド上のサービス群もカバーするという難題を NIKU を燃料に対応している。