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Power BIとクラウドサービスのメリット

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今回は、Power BIとクラウドの関係について紹介します。

Power BIの製品構成は、ブラウザから利用するオンライン版の「Power BI Service」を中核に、Windowsにインストールして利用するスタンドアロンの「Power BI Desktop」、そしてiPhone、Android、Windows 10 Mobile で利用できるモバイルアプリの3つのカテゴリーから構成されます。オンライン版のPower BI、モバイルアプリ版のPower BIはクラウドサービスです。また、Power BI Desktopは、ローカルで使用するソフトですが、クイック分析やダッシュボードの利用などではオンラインのサービスと密接に関連しており、クラウドと繋げて使うことが前提になっています。

 

BIがクラウドサービスになるメリットは?

では、BIがクラウドサービスになると、どんなところが良いのでしょうか。

第一のメリットは、PCの性能に依存しないでパワフルな分析が可能になることです。Power BIは、クラウドサービスであることにより、ビッグデータのように大量のデータで分析を行う場合も、クラウド上のマイクロソフトのサーバーで処理できるので、個々のPC性能を気にする必要ありません。

たとえば、Excelで分析を行っている方や、インストールベースの分析ツールを使っている方は、PCの処理性能に、ボトルネックを感じているかもしれません。実際、Excelで行数の多いデータの分析を行うとかなり処理時間がかかることがあります。また、会社貸与のPCは、誰もがフルスペックのものを与えられるわけでもありませんから、最新の機能を使おうとすると無理が生じるということもあります。すると、分析の作業を業務に取り入れること自体が難しくなってしまうケースもあるかもしれません。

しかし、Power BIはブラウザ上で使えますし、マシンパワーが必要な作業はクラウド側が受け持っています。PCのリソースを気にすることなく、計算処理からリアルタイムのデータ可視化までを行うことができます。

第二のメリットは、クラウドサービスが存在することによって、ツールがPCにインストールされているか、データが保存されているかなどは問題でなくなることです。Webブラウザさえあれば、さまざまな環境でPower BIにすぐにアクセスでき、最新のダッシュボードをチェックできます。また、Windows 、MacなどのPC環境だけでなく、スマートフォンやタブレットからも利用できます。ブラウザとインターネットさえあれば、いつでも、どの端末からでも利用できるため、ますます高速化するビジネスの中で BIを活用することができます。

第三のメリットは、このような情報共有環境を、無料で用意できることです。もし社内技術者がPower BIと同様以上のBIの利用環境を揃えるとすれば、かなりのコストとノウハウが必要とされてしまうでしょう。基本ブラウザがあれば動かせるということで、導入担当者の手間を省力化し、BIを社内で利用できるハードルを、ぐんと下げることができます。

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どんなデータでも利用できる環境を目指す

Power BIを利用するには、分析のベースとなるデータセットの入手が不可欠です。

Power BIは幅広いデータベースに対応し、クラウドでもオンプレミスでも、さまざまな場所からデータを入手できることは「Power BIとデータベースとの親和性は?」のコラムでご紹介しました。

ただ、さまざまなデータが活用できることになった現在、Power BIの利用者であるビジネスパーソンが利用するデータの取り込み形式を検討したり、接続するサーバーやデータベースの種類を意識したりしなければならなくなってきています。すると、これまでは渡されたCSVデータを使うだけでよかった日常ビジネス業務を行うユーザーにとっては負担が大きくなってしまいます。

そこで私たちが現在提唱していることのひとつに、データ管理者という存在の普及があります。ビジネスニーズに合致したデータを欲しい形にして渡す役割を担う人材です。こうしたスキルがある人を社内に配置し、Azureのデータカタログのようなサービスを利用することで、より利便性の高い効率的なデータ活用ができる環境が実現すると考えています。

もちろん、ビジネス業務を行うユーザーが利用可能なデータのバラエティが増えることで、ビジネス分析のレベルや精度も、さらに上げていくことができるでしょう。

 

クラウドとセキュリティへの配慮

情報漏洩のニュースもいろいろある昨今、クラウドサービスは危険ではないのかと心配される方もいらっしゃると思います。社内でデータを管理するのと、クラウドサービスなどにまとめることは、それぞれ一長一短がありますが、ここでは、Power BIのセキュリティについて簡単に紹介します。

まず、一般サービスと異なるのが、ビジネスアカウントでないとアクセスができないという点です。登録できるメールアドレスも無料メールのアドレスは使えません。利便性とトレードオフではあるのですが、企業のメールアカウントをもってログインしないと、共有されたデータでさえ閲覧できないという意味では、オンラインに上がっているデータが見られる人は確実にアカウントで管理できますし、また、パスワードを一定期間変更していないと、再設定までログインが一時停止されるなど、アカウントが長期間放置される可能性などへも配慮しています。このように、Power BIは、単純な Excel でのファイル共有と比較すると、きちんと管理されたアカウントでのログオンが前提となっているため、より堅牢であるといえます。

また、ユーザーに権限レベルを設定して、データのどの部分を見られるかを設定する行レベルセキュリティを適用できますので、社員の部署や役職によって、閲覧できる情報を切り分けることができます。この行レベルセキュリティが有効なのは、大切な情報が社内で不特定多数に広がりすぎるのを防ぐだけでなく、万一、1個のアカウントが不正利用された際などに、すべての情報が引き抜かれてしまうといった危険性を回避できる点にもあります。

なお、Power BIのユーザーの管理は、Office 365の管理ポータルと統合されていますので、Office 365を導入している場合は、社内のシステム管理者がまとめて管理できるようになっています。

以上、今回は、クラウドサーバーのメリットから社内でのデータ活用のイメージまで話が広がりました。まだPower BIを導入していない企業で、Excelの分析にマシンパワーが足りない、Power BI Desktopは比較的推奨環境が最新で性能もそれなりに必要そうだけど…と躊躇している方がいらっしゃれば、まずはオンラインのPower BIを無料でお試しいただくことをおすすめします。

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北川剛(キタガワツヨシ)
日本マイクロソフト株式会社
日本マイクロソフトで Azure を含むサーバー製品を担当するプロダクトマネージャー。 大学時代にインターネットの洗礼を受け、研究室でデータベースを利用したウェブシステムを構築するというきっかけを得たことから、データベースの道に進むことに。現在はデータベースだけではなく、クラウド上のサービス群もカバーするという難題を NIKU を燃料に対応している。