INTERVIEW

vol.5 日本マイクロソフト 酒井 麗菜さん ~前編~

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日本マイクロソフト株式会社に勤務し、Microsoft Azureの公式ウェブサイトの分析改善を担当している酒井麗菜さんに、Power BIの活用方法やExcelからの移行について伺いました。


Power BIを使った業務について教えて下さい。

ウェブサイトの管理業務の一環として、Microsoft Azure公式ウェブサイト(https://azure.microsoft.com/ja-jp/)と、日本市場向けのランディングページの2つのサイトのウェブ解析データを元に、Power BIでレポートを作成し、集客の改善分析を行っています。

このMicrosoft Azure公式サイトは、サービスの情報提供のほか、無料アカウント登録の入り口となっており、この登録完了がサイトのコンバージョンに設定されています。私は、ウェブ解析の数字をもとに効果検証をおこない、ウェブサイトの具体的な改善案を導き出すことで、実際のアクションの方向性を提示するところまでを担当しています。

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図は、サンプルデータを使用したレポートです。過去12週間の訪問者、UU、Visits などをグラフ化しています。

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業務にPower BIを使い始めたきっかけを教えて下さい。

以前は、分析レポートをすべてExcelで作成し、PowerPointに転記していたのですが、上長からの勧めもあり、Power BIでのレポート作成にチャレンジすることにしました。

ウェブ解析から読み込むデータは膨大で、特に日毎のアクセス状況をまとめるのは、Excelでは処理スピード上かなり厳しかったのです。そこで、まずデイリーレポートをPower BIへ移行したところ、予想以上に快適だったため、会議で使用する週次レポートもPower BIに移行することにしました。


特に処理速度の面でExcelからPower BIへの移行の成果が高かったのですね。

はい。速度に加え、作業行程も大幅に効率化できました。あくまで主観ですが、レポート作成にかける手間は50%くらい削減できたと思っています。今までは、レポートにするデータの範囲を指定したり、グラフの範囲を再調整したりと、細かな部分に手間がかかっていたのだと実感しました。用意しておくべきレポートの種類も多いため、Excelの作業を終えることに精一杯で、本来もっと時間をかけるべき検証に十分に取り組めなくなってしまうことが課題でした。

Power BIに移行してからは、ウェブ解析ツールから取得したデータを「更新」ボタンで新しいものに差し替えるだけで、ほとんどの作業が完了してしまいます。直感的に「積み上げ棒グラフ」や「円グラフ」などを作成でき、日付を選択するだけで過去のデータ比較もできるようになったため、わざわざグラフを再作成するような手間がなくなりました。

なにより、本当にやりたかった分析にしっかり時間をかけることができるようになったのがうれしいです。
今後はさらに、基本的なレポートはすべて最小限の作業で完了できるよう、効率化を図っていきたいと思います。


レポートのベースを変えたことで、ビジネスにも変化がありましたか?

大きな変化としては、会議でのデータ活用がよりスピーディになり、現実のニーズにフィットしたことだと思います。Power BIをレポートに導入する前は、週次の会議の場で、Excelで作成したチャートをPowerPointに貼り付けた静的な資料を見ながら説明していましたが、Power BIを使うようになってからは、Power BIのスクリーンを直接見ながら説明をするようになりました。

会議中に、例えば「では昨年同月はどうだったか?」「先月の同じタイミングで何が起こったか?」などを参照したくなったときも、データはすべてPower BIに蓄積してあるので、その場で必要項目を調整し、要望にかなう情報をリアルタイムに提示することができます。そのことにより、より深い考察をその場で行うことができます。

会議の進め方が動的になることで、確実に決断の速度は上がっていると思います。例えば、本社からの公式な解析情報は、1か月後などにレポートが上がってくるものもあって、何か問題が起きていたとしても、本来対処すべきタイミングを逃してしまうこともあります。また、上長は米国本社などの新しい情報を常にインプットしているため、刻一刻と状況が変わり、それに伴い必要な情報も変わります。定型の報告レポートだけでは、議論したい内容に対してデータが足りないといったことも発生しますが、だからといって分析を来週に持ち越していたのでは、遅れてやってくる報告と同じことで、実行に移すタイミングを失ってしまいます。

ビジネスの決定がデータドリブンになるなか、最新のデータをいつでもチェックして議論したい、状況に合わせてライブでデータを確認し、アクションへ移したい、といった業務は増えると思われます。Power BIはこういったニーズにふさわしいツールだと感じています。