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Power BIのレポート事例:公的データを組み合わせて学校の評価と地域の因果関係を分析する

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Power BIを使って、ユーザーがデータストーリーテリングを実践する「Data Story Gallery」のサイトに投稿されたレポートを紹介します。10月の月間MVPを獲得したのは、「オハイオ州の中高の教育成果指標」をまとめた力作です。

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テーマ選択のきっかけ

このデータ製作者のグレッグさんの姉は、オハイオ地域の教育委員長です。その姉から、分析を依頼されたことをきっかけに今回のレポートが誕生しました。資料として使えるデータは、16の異なる評価システムから得た成績表と、地域の教育課の所有する公開情報でした。

 

分析時のポイント

教育成果の指標には16の項目があり、それぞれA-Fの6段階評価で、学校ごとに毎年評価が与えられます。ただし、16項目すべての評価が、全校で同様に行われているわけではないため、部分的に「未報告(NR=Not Reported)」という値が存在します。レポート作成時には成績の「平均値」や「レベル」の評価を行うために、いったんA-Fを5~1に、そしてNRを0に数字へ変換し、計算できるようにしました。ただし、レポートの表示を行うときは、再びA-FとNRに戻すこと、またNRは成績評価が悪いのではなく、情報がないだけなので、計算に含めないことに注意しなければなりません。以上のように変換を加えることで、成績の値を多角的に扱い、インサイトを得やすいデータ提供ができました。

 

レポートのポイントを紹介

グレッグさんがどのようにデータを表現したのか、順番にその内容を紹介します。実際のデータは、こちらのリンク(http://community.powerbi.com/t5/Data-Stories-Gallery/Ohio-Primary-and-Secondary-Education-Performance/m-p/74155#M351)から確認できます。

1ページ目は、教育成果をグラフで見渡せるレポートです。オハイオ州で採用している16の評価基準から得られる評価を、半円グラフで表現し、1画面で見やすいように4行×4列で並べています。左上には「総合評価(オーバーオール)」のグレードが表示されます。デフォルト表示はオハイオの学校全体の平均数値になっていますが、左下の地図をクリックすると、特定の地域に絞り込みができるようになっています。青色は「評価が良い」ことを示し、赤色は「評価が悪い」ので、ひと目で差がわかります。

また、右上にある数字は、地域・学校数・生徒数・貧困者率・マイノリティ(白人以外の人種)率になります。

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2ページ目は、よりビジュアルを使った操作で地域差を比較できるようにした表です。左上の3つのスライサーから地域名・地域差(都会・郊外・田舎)・貧困者率を選ぶことで、その地域の詳細情報が表示されます。こうして似た条件の他校の評価と自分たちの学校の評価を比較して、自分たちよりも評価がよい学校から何か学べることがあるのではないか、という気付きを得ることを目指して制作されたレポートです。

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3ページ目は、地域と学校の種別で多面的に絞り込みを行い、それぞれの評価を比較できます。スライサーを使ったり、ドリルダウンで対象となる地域や学校を切り替えたりできます。

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4ページ目は、相関性を測るために作られたレポートです。左上から下へ、そして右上から下への順でグラフを紹介すると、
1)総合評価と地域差(都会・郊外・田舎など)の比率を示した棒グラフ
2)1学生あたりの歳入(会計年ごとに12年間の記録)
3)マイノリティの率に対する貧困者(平均)の増減値
4)マイノリティの率に対する年収の中央値
5)貧困者数と評価の相関性
6)生徒当たりの歳入(FY12)と評価の相関性
7)マイノリティ率と評価の相関性
8)新入生数と評価の関係性

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項目をクリックしてインタラクティブにチェックできます。

5ページ目では、地図を使って、より広い視野で数値を一覧できます。6、7ページも、それぞれ地図や地域から評価の詳細を比較しやすくなっています。

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グレッグさんは、レポートを作成した結果得られたインサイトとして、子供の貧困率とその学校での評価には相関関係にある可能性が高いのではないか、と指摘しています。ほかにもいくつかの発見がありました。

このように、複雑で膨大なデータをさまざまな切り口で視覚化したことで、新しい発見ができたようですね!みなさんもこの力作に実際にぜひ触れて、確認してみてください。

※地図がブラウザ上でうまく動かない場合はIEもしくはChromeやSafariの最新版で確認することをお勧めします。