TECHNIQUE

いま話題のデータストーリーテリングとはなにか?

1216_01

こんにちは、POWER BI FORUM編集部です。
本サイトの読者のみなさんの中には、データストーリーテリングという言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか? 今回は、この話題のキーワードについて紹介したいと思います。

 

データストーリーテリングとは?

ストーリーテリングとは、一般に「物語を伝える技術 」のことですが、最近「データストーリーテリング」という言葉が、IT分野を中心に、ビジネスパーソンの間でも話題になってきています。

このデータストーリーテリングとは、ずばり、「データを使って話をする技術」のことです。ビジネスプレゼンテーションでも学術発表でも、意見や考察を述べる際は、必ず事実(ファクト)に基づいた主張でなければなりません。人を説得するには、空想の話や耳あたりのよいセールストークではなく、誰もが納得するような証拠が必要です。そのためのもっとも有力な材料がデータであることは言うまでもありません。

ところが、そのデータが、もしもわかりづらいグラフや効果的でない見せ方のチャートで提示されたらどうでしょうか?
これでは相手は見る気を失い、意味のあるデータであっても、よく内容を理解してもらうことができません。

そこで注目されているのがデータストーリーテリングです。データをうまく見せる技術を高めることで証拠の価値を高め、それによって提案や主張の内容を伝わりやすくします。また、データを演出して見せることでインパクトを持たせ、あなたの主張自体を印象づけることも可能です。

TEDでは、衝撃的な数字をグラフで示したり、大スクリーンでアニメーション効果を使いながら数字を説明しているようなものを見かけます。こういった技術も、スピーチを効果的に伝えるためのデータストーリーテリングの好例です。

ストーリー仕立てで分かりやすく話す技術は、顧客を納得させるセールスパーソンだけでなく、会議の場のプレゼンで相手を説得したり、プロジェクトの内容をまとめて報告したりする際など、あらゆる場面で必要となるスキルです。それと同じように、データストーリーテリングは、BI(ビジネスインテリジェンス)や、データ分析が幅広い分野へ浸透したことに伴い、習得するべき重要なスキルになってきています。

 

データを効果的に使い、見せる技術

データストーリーテリングのスキルを身につけるには、数学や統計の高度な知識が必要でしょうか? 専門家しかできないことや、たくさん勉強が必要になるでしょうか?
実は、その心配はありません。ストーリーテリングは、誰にでも分かりやすく語るための技術のことなので、使用する知識のほとんどは基礎的な内容です。知っているかどうかで結果が異なってくるセオリーのようなもので、ポイントは相手に伝えたい内容をデータに込めてカタチにできることです。

線の太さや色使い、グラフの種類、ハイライトする箇所…こういったものを変更するだけで、同じ情報でも受け取り方は変わってきます。
ビジュアルを上手く使って、一瞬で理解できるデータを用いて説明することで、人の心を動かすプレゼンテーションやストーリーテリングが可能になります。データストーリーテリングのコアになるスキルは、データの見せ方を工夫して、メッセージを伝えやすくすることです。

元グーグル社員でデータストーリーテリングに関する書籍を著したKnaflic氏がブログでも紹介している例を1つ挙げてみましょう。ある講習の開始前のアンケートと完了後のアンケートで、参加者の反応に大きな変化があった際、どういうデータの見せ方をしますか?という例です。

下の図は普通の円グラフ。いろいろなツールで使えます。ただ、この円グラフでは、ビフォー&アフターの変化がパッと分かりません。凡例も小さく、何に対する割合がどの程度なのかが、感覚的に掴みづらいですよね。また、色もカラフルですが、それが原因で重要な箇所がどこか分かりづらくなってしまっています。

1216_01

では下の例はどうでしょうか?こちらは、ビフォー&アフターを2軸の棒グラフで表現しているので変化が分かりやすいですね。全体的にネガティブな意見がポジティブに変わっていることが分かります。そして、色を効果的に使うことで、講習前は「まあOK」だった層が、「面白い」「すごく面白い」という濃い青で示されたポジティブな意見にシフトしたことが分かります。

1216_02

(元記事:https://static1.squarespace.com/static/55b6a6dce4b089e11621d3ed/
55b6d08fe4b0d8b921b02f83/55b6d093e4b0d8b921b030bb/1438044307330/1000w/

このように、同じデータを使っていても、どちらが説得力のあるデータかは一目瞭然ですよね。断然、2つ目のチャートの方です。ここで両者の分かりやすさに差がついたのは、高度な技術ではなく、基本的なチャートの選び方、そして色使いだということが分かります。

このように、「データストーリーテリング」には、Power BIで簡単に得られるようなビジュアルやチャート、ダッシュボードをよりよく活用するための基礎スキルが多く詰まっている、といえるでしょう。

いかがでしたか? 今後さまざまな分野でさらに重要度が増しそうなデータストーリーテリングのスキルについて、ポイントを紹介しました。現在、データストーリーテリングについて学べる具体的な資料は少ないですが、「データビジュアライゼーション」や「インフォーメーション・グラフィック(インフォグラフィック)」といった言葉で紹介されている書籍やウェブサイトなどでも、データストーリーテリングと共通する知識や技術が紹介されています。折りに触れて、勉強し、Power BIでの業務にも役立てていきたいですね!